忘れられた戦場で

とあるブスの身の上話

続・ルッキズムとマッチョイズム

ルッキズムとマッチョイズム - 忘れられた戦場で

上記の記事で、ルッキズムの発祥はマッチョイズムにあると書いた。

マッチョイズムでは強くて力のある者、すなわち「若くて健康な男」が頂点に立ち、強くない(ように見える)男性が男として二流の扱いを受けると書いた。

今回は、そんなマッチョイズムに起因する男性特有の容姿差別について考察する。

前置きとして、以下の認識を共有してほしい。

男女の「美しい顔」の傾向はほぼ一致している。
例えば、エドワード・ファーロングが女装をすれば美女になるし、ナタリー・ポートマンが男装をすれば美男になる。
だけど、男女で均衡がとれているわけではなく、美しさの価値観は「美女(女性)」が基軸となっている。
エドワード・ファーロングを「オンナ顔」と称することはあっても、ナタリー・ポートマンを「オトコ顔」とはいわないことからもわかる。
これはマッチョイズムが「美」を女性が負うべき特性としたから起きている現象だ。

ブスが顔の醜さを「男みてー」とか「男かと思った」とか揶揄されることがあるけど(※経験談;;)、これは「女性は美しくあるべき」という女に課された業が、そのまま「女は男より美しい→男は女より醜い」と転化したものだ。
だから、「男みてーw」とブスを嘲笑する男性は、私から見れば「俺みたいに醜いw」と自分を卑下しているも同然なんだが、男性にはあまりピンと来ないのかもしれないね…;;

ともかく、西欧の美男美女を「美しい」と思う美的感覚が、いかにして獲得されるのか私にはわからないけど、顔の美醜を判定する傾向に性差はないということ。


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小中学生のころ、オンナ顔の軟弱そうな男の子が、“男から”イジメられる光景を目撃したことはないだろうか?
今の時代は知らないけど、昭和生まれの私が子どもだった頃はわりと珍しくない光景だったように思う。

オンナ顔男子は、たいていが美男子に成長する。

さんざん男から「ブスは美人に嫉妬してイジメる」という冤罪をリアルに吹っかけられてきた身としては、つい「男がイケメンに嫉妬してイジメてる」と突き返したくなってしまうのだが、では本当に男がオンナ顔男子をイジメる動機が嫉妬心によるものかといえば、私はそうは思っていない。

この現象もマッチョイズムで説明がつく。

マッチョイズムでは、強くない(ように見える)男性が二流扱いされると書いたが、オンナ顔男子もそのひとつで「女みたいな顔の男=女みたいに弱い男」とみなされることで同じ男性から白眼視されやすい。

前述のようにオンナ顔とは「美女顔」を指すが、男性の場合は美醜のモノサシを用いて価値を測られるわけじゃないことに留意されたい。
ブスが受ける「男みてー」という攻撃は男みたいに「醜い」ことを意味するが、オンナ顔男子が受ける「女みてー」という攻撃は女みたいに「弱い」ことを意味する。

つまり、マッチョイズムに起因している。

だから、オンナ顔男子でも高身長だったりガタイがよかったりすると、「女みてー」を理由に攻撃されることはない。

 

以上、オンナ顔男子が標的にされる男性特有の容姿差別について、マッチョイズムの観点から考察してみました。

「それって“ジェンダーバイアス”の一言で説明できない?」という真っ当なご意見はご遠慮ください。

独自研究”カテゴリはその名のとおり、私というただの無職高卒ヒキニート高齢ブスの独断と偏見による戯言なのであしからず…。

※余談だけど「課される」と「課せられる」で迷ってしまった。
どっちが正解かよくわからない^^;